今、標記の言葉が一人歩きしています。“digital/virtual autism”英語圏やヨーロッパの学術論文で、乳幼児期からスマホ・タブレット・動画・ゲームなどの『長時間の受け身視聴』が続いた結果として、子どもが「呼びかけに反応しにくい」「会話が増えにくい」「対人より画面を優先する」など、“自閉症に似て見える行動”を示す状態を指して使われることが多い言葉だそうです。もちろん、比喩的表現であり、診断分類上の正式な疾患名ではありません。日本自閉症協会も、この言葉の使用については注意喚起を促していますが、やはり大きな誤解を生むことが懸念されます。使い方そのものがネガティブであり、マイナスのイメージでしかありません。それはつまり、自閉症はマイナスだという決めつけが前提にあるということです。
自閉症児・者を含めた『障害(者)』は、今もなおこのような偏見に晒されているのです。学術論文というインテリジェンスの世界においてすら、この程度のレベルなのかとあきれてしまいます。言葉が人を傷つける凶器になるというのは、まさにこのようなことを指すのでしょう。先年の『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』という書物を出版した〈困った人〉などもこの類なのかもしれません。