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会長コラムのページ <長崎県自閉症協会の会長からの配信です>

新年のご挨拶  長崎県自閉症協会 会長 長島謙二

明けましておめでとうございます。令和8年、2026の幕開けです。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

皆様におかれましては、穏やかなお正月をお過ごしのことと思います。しかし、中米では過激な出来事が起きており、武力行使が世界的にもますます激しくなってきている状況です。多くの命が一瞬のうちに奪われています。これを自分事として想像することが大切なのではないでしょうか。戦後80年の終わりが、もし新たな戦前の始まりであるのならば、とても恐ろしいことです。穏やかな日常も、子どもたちや家族の笑顔も、かけがえのないものであることをしっかり認識し、守り続ける必要があります。

我が国の障害者福祉の在り方に対しては、私たち家族と当事者がどういう施策を必要としているのかを訴えていくことが大切です。それは不満をぶつけるということではなく、これからも生まれてくる自閉症児や発達障害児・者が生きやすい社会、「共生社会」の実現を目指すということです。一人一人の力は小さくても、皆で力を合わせれば、きっと大きな力になります。それぞれの立場や状況、考え方の違いはあってもよいのです。大事なのは、多様な人たちの人権が守られる「共生社会」を作っていこうという思いを共有することなのです。

微力ではありますが、私も努力して参りますので、会員の皆様をはじめ多くの皆様のご協力をお願いいたします。皆で、明るい明日を目指していきましょう。

「長崎県発達障害支援センター連絡協議会」ご報告

 1211日(木)、標記の会が諫早市の県立こども医療福祉センターで開催され、委員の一人として出席しました。発達支援親の会、長崎大学の今村先生や岩永先生をはじめ、十数名の県関係者が出席していました。報告事項として、

(1)令和6年度および令和7年度上半期実績報告

(2)令和7年度事業報告

  ・しおさいセミナー

  ・支援力向上定期勉強会

  ・発達障害支援地域従事者育成研修会(初級編、中上級編)

がありました。詳細な資料は掲載できませんが、いずれの報告も当事者や家族のことを真剣に考えた真面目な取り組みがなされているものばかりでした。関係者の皆様の不断の努力に改めて感謝申し上げたいと思いました。

 次に、協議事項として「就学に関する発達検査・医学診断について」の提案が、こども医療福祉センターからありました。その要点は、教育関係で発達検査を取れなくなったために、就学まで猶予がない中で医療機関受診を希望するケースが増えており、緊急枠や新患枠を使って対応している医療福祉センターでの新患待機期間が半年以上生じ、順当に待機している方に対する平等性が損なわれているという問題です。県全体のシステムの問題として、関係機関で対応を検討する必要があるということでした。

 2024年の県の聞き取りデータとして、初診待ちの期間と人数は、

 ・県立こども医療福祉センター(諫早市) 約4カ月、約190人

 ・もりまちハートセンター(長崎市)   約9カ月、約500人

 ・佐世保市子ども発達センター      約6カ月、約150人 です。

こども医療福祉センター長の小柳憲司氏が、発達障害を「障害」とは異なる部分的・一時的な場合も多い神経発達「症」ととらえ「早期診断」は必要ないという考えを基に、「発達障害地域診療体制強化事業」について情報提供をされました。発達障害診療の新たなシステム作りとして、「こどもの神経発達症診療ネットワーク」登録医制度の概要についての説明でした。とても分かりやすく、納得のいく説明で、ぜひ早期に実現してほしいと思いました。

 詳細な資料を提示できないのが残念ですが、興味・関心を持たれた方は当協会にお問い合わせください。以上、ご報告いたします。

我が家の「いとしご」僚平は現在38歳です。作業所で、ニンジンの皮むきのスペシャリストとして大活躍しているようです(現場を見たことが無いので)。彼の幼いころは、自閉症児は「目を合わせない」と言われていました。幼少期の判定などの際は、今でもそう言われているのでしょうか。僚平は今でも目を合わせないことが多いと思いますが、それでも随分目を見ながら会話をすることが増えたように思います。もちろん言葉を発することは少ないですが、私の話を目を見ながら聞いてくれますし、自分の主張を私の目を見ながら述べてくることが多くなりました。風呂場で髭剃りをする時は、よろしく頼むよという目で見つめてこられるので、思わず笑ってしまいます。

 飲みすぎてソファーに寝落ちしている私を起こし、二階に行って寝るように声を掛けられた時には、あまりにも普通過ぎて、寝ぼけながらも嬉しさで胸がいっぱいになりました。最近の僚平の主体的ともいえる言動には驚かされるばかりです。彼は、立派に家族の一員としての役目を果たしてくれています。

幼少期のお子様をお持ちの皆様は、かつての私のように我が子の行く末に大きな不安を抱えておられるのではないでしょうか。でも、きっと大丈夫ですよ。我が家の僚平のように、知的障害を抱えながらも、一歩ずつしっかり成長してくれます。保護者の皆様がそう信じて寄り添い続ける気持ちは、必ずお子様の心に届いています。子育ての悩みは尽きることはありません。どうか一人で悩まずに、ご相談ください。共に悩みや苦しみを語り合い、楽しい暮らしにして行きましょう。

発達障害児等教育支援連絡協議会報告  長崎県自閉症協会 会長 長島謙二

 10月6日に県教育センターで行われた上記協議会に出席しました。壱岐、対馬を含む21市町の教育委員会の方々、県教育庁の特別支援・義務・高校の課長、桜ケ丘特別支援学校・南島原市深江小学校・島原翔南高等学校校長、大村市立放虎原こども園園長、県子ども未来係長、県こども家庭課係長、学事振興課課長補佐、「のこのこ」会長・副会長などが出席されました。

 県教育委員会の特別支援教育に関する概略説明の後、各市町から「特別支援教育の理解啓発」についての研修の実施内容の報告、理解啓発に向けての取り組みの内容や取り組もうとしていることなどの説明が行われました。その後、各学校現場での取り組みや現状についての説明がなされました。最後に、保護者として、「のこのこ」の奥野会長と私がそれぞれの立場から話をして閉会となりました。

 それぞれの関係者が、真面目に特別支援教育に取り組んでいることは理解できました。しかし、「発達障害児等教育支援」と「特別支援教育」が曖昧に扱われているようです。各市町における取り組みの温度差にはかなりの開きがあるように思いました。それは各学校における教育支援にも影響を与えているのではないかと推察されます。また、「共生社会づくりのための特別支援教育の理解啓発について」協議するはずでしたが、全く行われませんでした。初参加の私としては戸惑いと残念な気持ちだけが残った会でした。福祉や教育に関する行政の現状は、全国的にこういうものだと思います。

 しかし、当事者である子どもたちと共に生きる私たちは、とにかく力を振り絞って前向きに進んで行くしかありません。あきらめることなく、皆で協力しながら少しずつでも事態が好転するように声を出し続けて行きましょう。

8月の想い  長崎県自閉症協会 会長 長島謙二

「まず自分を大切にしてください。」
私は教員としてずっと生徒たちに言い続けてきました。

自らの存在と命を尊重してほしいという願いが込められています。その根底には「自分を大切にできない人が、ほかの人を大切にできるはずがない」という思いがあります。それは、他者への思いやりの気持ちを持つことこそが、社会をより良くしていくと信じているからです。

 8月6日「ヒロシマ」、9日「ナガサキ」。鎮魂と恒久平和を思い、どんな人の命も安易に奪ってはならないということを、改めて心に深く刻むべき日です。しかし現実の世界は、「自分ファースト」「自国ファースト」に覆われつつあるように思います。自分の気持ちと生活さえ安心安全ならばいい、自分の国さえ豊かであればいい。そこから「核の傘」は戦争抑止に効果的だという考えが生じるのでしょう。核兵器廃絶どころか、倫理を喪失した政治の道具です。「発達障害など存在しない」という言説も、根っこは同じでしょう。

 多様性を否定するグローバルは、私たちの子どものような障害を持つ人間の存在を無視し、生き生きと暮らす権利を脅かしかねません。先日の本部総会では、「親亡き後の」などとのんびりしている場合ではない、子も親も高齢化してきているという厳しい意見もありました。私たちは「共生」社会が画餅ではなく日常になるように、それぞれの思いを語り合いながら、地道に、そして少し速足で歩んでいく必要があります。

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